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インプラントの治療には、顎の骨にインプラント体を埋入するという外科手術がともないます。また、体の中に金属を埋め入れることや、骨と結合させるということに疑問や抵抗を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。手術や体への影響など、インプラントが安全な治療とされている理由についてご紹介します。

成功率ほぼ100％

ここでいうインプラントの成功率は、インプラントと顎の骨が結合した割合のことをいいます。現在ではインプラントと顎の骨が結合しないというのは、よほどのことがない限りほぼないそうです。
また、インプラントを入れた後もきちんと治療後に定期的にメンテナンスをおこなっていれば、5年、10年と経過しても95％以上の方が問題なく過ごすことができているという報告もあります。

手術は日帰りでOK

インプラントは外科手術をともなう治療ですが、入院の必要はありません。
その手術も親知らずを抜くのと同じ程度の手術であると言われ、個人差によりますが、何日も痛みが続く、腫れが引かないといったようなことはあまりないようです。
ただし、親知らずの抜歯同様、体質によっては痛みや腫れが続くことがありますので、その場合は我慢せず、すぐに手術を担当した歯科医師に相談しましょう。

体に優しい素材を使用

体に金属を埋め込むというと、少し怖いイメージがありますが、インプラントのほとんどは生体親和性（※）の高い金属のチタンで作られています。
チタンは生体親和性に優れ骨との結合性が高く、金属アレルギーを引き起こしにくい素材としても知られています。
一部では純チタンではない合金製のインプラントもあるので、金属アレルギーが不安な方はあらかじめ歯医者さんと相談するようにしてください。

（※）生体親和性…異物として排除されずに体になじむ性質のこと。

安全といわれるインプラントですが、事故が起こらないわけではありません。
残念なことに、2007年には死亡事故が起きてしまいました。ここまで重大な事故はまれなケースではありますが、正しくおこなえばほぼ失敗することはないと言われるインプラントにおいて、事故はなぜ起きてしまうのでしょうか？

どんな事故がありますか？

一番多い事故としてあげられるのが下顎管（かがくかん）の損傷です。
下顎管は下顎にある神経や血管が通っている場所で、インプラント体を埋入する際、ドリルが突き抜けたりインプラントが接触したりして下顎管を傷つけてしまうと、出血、または神経の麻痺がおこることがあります。
傷つけられた神経はなかなか回復することができません。神経が切れてしまうと、しびれが長く続いたり、最悪の場合残ったりしてしまうこともあります。

なぜ事故が起きるの？

下顎管や血管、神経の位置などは人によってそれぞれ異なります。手術前は事故を防ぐために、レントゲン撮影やＣＴ撮影で下顎管の位置を確認します。
損傷などの事故は、手術前にその位置をよく確認していなかったりすると起きてしまうようです。
また一方で、歯科医師の技術不足という面もあります。インプラントはその治療に特別な資格は必要でなく、歯科医師の免許があれば施術ができてしまいうため、中にはきちんとした訓練を受けずに手術をおこなっているケースもあり、問題視されています。

このように、インプラントの成功や失敗は、歯科医師が持つ知識や技術、経験に大きく左右されてしまうと考えられます。

インプラント治療を安心して受けるためには、良い歯医者さん選びが大変重要です。一口に良い歯医者さんと言っても見極めるのは難しいですが、いくつかのポイントをご紹介します。

インプラント歯科選びを詳しく見る

治療前の検査をチェック

適切なインプラント治療をおこなうためには、レントゲン写真などで、インプラントを入れる場所や深さ、方向、インプラントの太さ長さを決めます。「インプラントの事故について」の項目でも触れたように、事前の検査は人それぞれ位置が違う神経の位置を把握するなど大変重要です。
手術前の検査を怠らず、きちんと説明してくれる歯医者さんを選ぶのが良いでしょう。

歯科医師の治療経験をチェック

あなたがインプラント手術をお願いしようと思っている歯医者さんはどんな先生でしょうか？インプラントの治療はどれくらい経験があるのでしょうか？
治療後のメンテナンスはしっかりとしてくれる先生でしょうか？
単にインプラントの実績数だけでは、その先生の腕の良さはわかりません。きちんと治療の説明をしてくれるか、手術前の検査をおこなってくれるか、医院の衛生管理はどうか、他の患者さんの治療後に問題はないのか、メンテナンスはきちんとおこなってくれるのか、などは重要なポイントです。
インプラント治療を受ける際には、治療前も、治療後も、しっかりと説明やケアをしてくれる歯科医院を選びましょう。