インプラントの基礎知識

治療の流れと期間

インプラントの治療は、具体的にどのような流れでおこなわれ、どのくらい治療期間がかかるのでしょうか?
このページでは、インプラントの治療の流れと期間について紹介していきます。

インプラント治療の目安

インプラントは1~2回の外科手術を伴う歯科治療であり、骨の治癒を待つ必要がありますので、場合によっては半年以上治療に時間がかかります。

インプラントの治療の流れを図にすると、だいたい以下のようになります。早い方は4ヵ月、長い方は1年以上かかることもあるようです。骨造成、骨治癒は個人差があります。治療法や必要な骨量によっても治療期間が異なりますので、具体的には実際に治療を受ける歯科医院で詳しく説明を受けてください。

インプラント治療の目安

インプラント治療の流れと期間

お口の状態や治療本数、必要な処置などによって実際の手順は異なりますが、基本的には以下のような流れで行われます。

カウンセリング

インプラント治療のカウンセリングでは、治療をどのような手順でおこなうのか、治療のメリット、デメリットなどの基本的な説明が歯医者さんから患者さんにおこなわれます。このとき、治療に臨む上での不安や、疑問に思ったことを聞くのはもちろん、持病のある方や薬を服用中の方(特に骨粗しょう症治療薬のビスフォスフォネート系薬剤など)、妊婦の方は必ず先生にそのことを伝えましょう。

検査・診断

インプラント治療がその患者さんにとって適した治療であるのかを診断するために、口腔内の状態を検査します。
具体的には、口腔内写真撮影、レントゲン撮影、歯の印象(型取り)、CT撮影、咬合検査、虫歯・歯周病の検査、カリエスリスクテスト(唾液検査)などがあります。歯科医院によって検査内容は多少異なりますが、検査によって採取した資料をもとに診断をおこない、治療計画を立てます。

事前処置(必要な方のみ)

歯周病が進行していたり、骨が薄かったりするとインプラント治療ができないことがあります。そういった場合は先に治療や処置をおこなうところから始めます。インプラント治療の前に抜歯をした方は、抜歯をした部分の骨が回復するまで待つこともあります。(抜歯と同時にインプラントを埋入するケースもあります)

歯周病治療

歯周病とは、細菌の感染が原因によって引き起こされる炎症性疾患です。最近では重度の歯周病患者さんでも治療すればインプラントを治療ができるようになる場合があるようです。
ただし、歯周病になりやすい人は、インプラントを入れた後にインプラント周囲炎になるリスクが高く、インプラントを入れた後にきちんと歯の管理がおこなえるかが重要となってきます。

骨造成・骨再生

足りない部分に骨を作る
足りない部分に骨を作る

骨の高さや骨の厚みがない(骨が薄い、少ない)状態でインプラントを入れてしまうと、折れたり抜けてしまうといった事故が起こってしまうことがあります。しかし骨が薄い方でも、ソケットリフト、サイナスリフト(上顎洞底挙上術)、GBR(骨再生誘導法)などで骨量を増やせばインプラント治療ができるようになることもあります。

インプラント埋入(30分~2時間程度)

インプラントを顎に入れる外科手術で、手術にかかる時間は30分から2時間程度となります。ただしインプラントを入れる場所や本数によって異なります。
手術はインプラントを埋め込む歯肉の部分を切開し(※必要な場合のみ。切開を必要としないこともあります)、骨に穴をあけてインプラントを入れ縫合する、という流れでおこなわれます。

治癒期間(2ヵ月~6ヵ月)

早い方では2ヵ月程度、ほとんどの方が6ヵ月になるまでには骨とインプラントが結合するといわれていますが、埋入する本数や場所、治癒のしやすさ(体質)、骨量などによっても治癒期間は異なります。特に骨粗しょう症の方や骨密度が低い方は通常よりも時間がかかる傾向にあります。

人工歯(上部構造体)の取り付け

インプラント

埋入したインプラントがしっかり顎の骨と結合したあと、インプラントの土台に人工の歯(上部構造)を取り付けます。仮歯で調整をおこなう場合は数回の通院が必要となります。

メンテナンス

インプラントや上部構造体(人工の歯)が虫歯になることはありませんが、インプラント周囲炎という感染症のリスクが高まるため、天然の歯より口の中の手入れが重要となってきます。インプラント周囲炎にかかると、インプラントが抜けてしまうことがあります。また、歯ぎしりや噛みしめが強い方は、強い力を受けたインプラントが破損してしまうこともあります。
せっかく入れたインプラントですから、日ごろから口内清掃を心がけるのとともに、特に不具合がない場合も年に数回は歯科医院でメンテナンスを受けるようにし、良い状態を長く保てるようにしましょう。