審美歯科の基礎知識
「歯を白くする治療」として一番に最初にホワイトニングを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。身近な審美治療・ホワイトニングの特徴や種類についてご紹介します。
ホワイトニング施術前
ホワイトニング施術後
ホワイトニングとは歯に薬剤を塗り、色素を分解することで歯を漂白する方法です。
塗られた薬剤が着色成分の有機質を分解・脱色するので、元々の歯の色よりも白くすることができます。
歯を削る必要がなく、また比較的短期間で効果を実感しやすいので、気軽に受けられるのが特徴です。
短時間で歯を白くするような薬剤を口に入れて大丈夫なのか、と心配する方もいらっしゃるかもしれません。しかし、厚生労働省の認可を受けた薬剤であれば、指示されたとおりの使い方を守っていれば、トラブルになることはありません。
インターネットでホワイトニングの薬剤やキットを買うこともできますが、薬剤が強すぎたり、自作あるいは付随のホワイトニングトレー(専用マウスピース)が合わずに、薬剤が液漏れする危険性などもあります。やはり最初は歯科医師の指導・助言のもとでおこなうことをお薦めします。
一般的なホワイトニングには、歯科医院でおこなう「オフィスホワイトニング」、歯科医院でマウスピース作成後に自宅でおこなう「ホームホワイトニング」があります。 また、歯ではなく歯ぐきの黒ずみを落とす「歯肉ホワイトニング」をおこなっている歯科医院もあります。
歯に薬剤を塗ります
光線を当てて効果を高めます
オフィスホワイトニングとは、歯科医院で主に歯科衛生士(または歯科医師)がおこなうホワイトニングのことです。薬剤を塗り、さらに効果を高めるため光線を当てることで歯を白くします。(光を用いないオフィスホワイトニングもあります)
1回の処置での効果が高く、早く白さを実感できるのが特徴です。
オフィスホワイトニングは早ければ1回の通院で効果を実感できるので、結婚式や面接などが間近に迫っているなど、歯を白くするためにあまり時間をかけられない方にお薦めです。
またホームホワイトニング(ご自身で行うホワイトニング)はやはり心配という方にもお薦めします。
ホワイトニングトレー
薬剤を入れて装着します
ホームホワイトニングとは、患者さん自身がおこなうホワイトニングのことです。
まず歯科医院で「ホワイトニングトレー」というホワイトニング用マウスピースを作ってもらいます。その後そのトレーに薬剤を入れて、一定時間装着し歯を白くします。
オフィスホワイトニングに比べて弱い薬剤を使うことが多く、その分ホワイトニングの効果が出るまで比較的時間がかかりますが、寝る前やテレビを見ながらなど、自分のペースでおこなうことができます。
一度ホワイトニングトレーを作ってしまえば自宅でできるので、歯科医院に通う時間のない方でも継続して歯の白さを保つことができます。また、時間はかかりますが、自分の好みの白さにしやすいのも魅力のひとつです。
歯肉ホワイトニング前
歯肉ホワイトニング後
歯肉ホワイトニングとは、歯ではなく歯肉(=歯ぐき)の黒ずみを落とすホワイトニングのことです。
歯肉も肌と同じようにメラニン色素が沈着して黒ずむことがあります。この場合は歯肉ホワイトニングによって歯ぐきを元のピンク色にすることができます。
メラニン色素の沈着により歯ぐきが全体的に黒ずんでいる方には歯肉ホワイトニングが有効ですが、黒ずみの原因が詰め物や被せ物に含まれる金属の影響である場合は、歯肉ホワイトニングでは改善することはできません。金属を含まないセラミック製の詰め物などに替えるセラミック治療により、改善できることがあります。
また歯肉が赤紫色に変色している場合は歯周病が疑われます。炎症による変色と考えられますので、歯肉ホワイトニングではなく歯周病治療が必要です。