乳歯期・生え替り期の子供には、歯のトラブルがつきものです。
「これって普通なの? それとも変?」 「放っておいて大丈夫なの?」という悩みは多くの親御さんが経験することだと思います。
今回は、そんなお子さんの事例を密着取材しました。
乳歯が抜けた後に永久歯が生えてこないことが心配なTくんの事例です。
■■ 永久歯が生えてこない!? ■■ |
Tくん小学校2年生。まさに歯の抜け替り期まっただ中です。 小さな乳歯列に混じって、立派な永久歯も並んできていますが、ご両親の心配は左の前歯が生えてこないこと。 下の前歯と上の右の前歯は永久歯が生えていますが、上の左・1番の乳歯が抜けたままずっと永久歯が生えず、ポッカリ隙間があいています。 「そのうち生えてくるだろう」と思っていたご両親も、「『欠損歯』といって、生まれつき永久歯がない場合もあるらしい」という話を聞いて不安になりました。 |
中野区鷺ノ宮駅近くの熊谷歯科医院です。 (熊谷靖司院長先生→)
【診察】
Doc:「Tくん、歯磨きはちゃんとやってる?」
Tくん:「はい! 今日はフロスもやってきました」
Doc:「おお~、それはエライね!」
Doc:「虫歯はないですね。それでは、前歯をレントゲンを撮って診てみましょう」
レントゲン写真を撮ってみると・・・・ちゃんと永久歯が写っていました!
歯茎の中に、大きな永久歯の姿がクッキリ見えます。 でも・・・?
Doc:「永久歯はちゃんとありますね。でも、隣の歯に引っかかって降りてこられないんですよ。ここを見てください。ぶつかっているでしょう」
Tくん:「はい。 ・・・と、いうことは・・・・?」
Doc:「そう!隣の歯は乳歯だからね、少しグラグラしてきてるし、抜いてしまって大丈夫ですよ」
というわけで、さっそく麻酔をして隣の乳歯の抜歯をしました。
Tくん、ちょっと恐怖にゆがんだお顔をしていますが、後から聞くと「痛くなかった」そうですよ^^;
Doc:「これで、もう少ししたら永久歯が生えてきますからね」
取材スタッフ:「こういう場合は、そのまま放っておくのはよくないのですか?」
Doc:「そうですね。歯が生えるべきスペースが空いたままになっていると、隣の歯が倒れて寄ってきてしまうことがあるんですよ。歯並びや噛み合わせが悪くなることもあるので、あまり長く空いたままにしない方がいいですね」
今回のTくんは、「欠損歯」ではなく、隣の乳歯にぶつかって出てこられないだけでした。
しかし、欠損歯自体は珍しいことではなく、1本~複数本の歯が生まれつきない人は多いそうです。
人類は進化に従って歯の数が少なくなっており、欠損歯はいわば「進化系」なのだとか。
欠損歯であっても、噛み合わせや見た目に問題がなければ治療しなくてもよいのですが、治療が必要な場合は、歯のない部分をインプラントやブリッジで補ったり、歯列矯正によって隙間を埋める、などの方法があるようです。
これは今日のお土産。
歯の形のケースに、抜歯した乳歯が入っています。
抜いた歯は、汚れもなく真っ白でとてもきれい。毎日の歯磨きの成果ですね。
これから生える永久歯もきちんと磨いて、ずっと綺麗な歯でいてくださいね、Tくん!
●● 取材を終えて ●● |
子供の歯について心配なことがあった時、気軽に相談できる先生がいるのはとても心強いことです。 お母さん同士の口コミやネットの情報も貴重ですが、実際に我が子がどの症例なのかは、きちんと診察や検査をしないとわかりません。 特に歯は、普通の病気と違って虫歯になったり抜けてしまったら、元通りにはならないもの。 気になった時点で、すぐに診てもらえるかかりつけの歯医者さんは大切だと感じました。 |
投稿者 kanba : 2011年04月19日 16:37